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2017.3.13更新 2015.5.3作成

そもそも何をトレーニングするのか?

何事もですが、いきなりトレーニングから始めても途中で行き詰ってしまいます。
ボイトレのレッスンを受けている方は、今、何の目的で、何を意識して行うべきかを明確に理解した上でトレーニングすべきです。

気を付けたいのが、プレゼン力に優れていて商業的に成功しているものの、中身のないレッスンをひたすら繰り返すトレーナーがいるという事実です。本格レッスンを謳っておきながら、理論も何もなく、ただ声を出すだけ、ただ歌うだけ、できないことを怒るだけのレッスンで、いかにも指導してますよ感を出してきます。この雰囲気に飲み込まれて通い続けると、「ずっと通うが上達しない」という、いわゆる「金づる」の状態になってしまいます。私も金づるになった経験があるので、よくわかります。

是非、何のために何を鍛えるのかを明確にできる環境下でトレーニングに取り組んでください。

ボイストレーニングはそもそも何を鍛えるのでしょうか?

大きく2つあります。
1.声そのものを鍛える
2.歌い方をより魅力あるものにする

1.声そのものを鍛える

「ボイストレーニング」というと、ほとんどは声そのものを鍛えることを言います。

高い声を出すにはどうすればよいか、もっと声量を出すにはどうすれば良いか、疲れを少なくするにはどうすれば良いか
といった問題を解消するためのトレーニングです。


それでは、声そのものを鍛えるにはどうすればよいのでしょうか?

そもそも声は、肺で生じさせた息が、声帯を振動させ、のど、口、鼻といった空間で響くことによって生じます
当然ながら、この経路をそれぞれ鍛えることで、声が鍛えられていきます
下図をご覧ください。


息を生じさせるという部分は、腹式呼吸のトレーニング
声帯を振動させるという部分は、声帯回りの筋力トレーニング(使いこなしのトレーニングも含む)
のど、口、鼻の空間で響かせるという部分は、響きのトレーニング

を行うということになります。



2.歌い方をより魅力あるものにする

声が良くなっても、歌い方がダメでは歌の魅力も半減してしまいます。
逆に、声があまり良くなくても、歌い方次第では魅力が出てきます。

自分の歌を作品にしたい方は、是非歌い方にこだわってください

技術的に優れているかどうかよりも、聞き手はくるものがあるかどうかを聞いているものなので、
発声の完成度とは別に、自分が表現したい歌はどんなものかを明確にし、磨いていく必要があります。

表現を磨く上で大切なことは、「こんな風に歌いたい」と思える人の歌をコピーすることです。

漠然と真似するのではなく、細かく聞き、同じようなテイストで歌えるようにします。

例えば、
○声の固さ、柔らかさはどのようになっているか、そしてそれは曲中でどのように変化しているか
○声の響きの位置はどのへんにあるか、それは音の高さや母音が変わるとどのように変化しているか
○どこでチェストボイス、どこでミドルボイスを使っているか
○リズム感は1、2、3、4なのか、1、2、1、2なのか

といったところを細かく分析した上で、真似していきます。

筋力や技術が違うので、そう簡単に真似はできないと思いますが、必死でくらいついてください。

1曲コピーし終えたときには、だいぶ成長していると思います。
効率よく成長するために、出来る限り、本格派と言われている歌手(Misiaさん等)の歌をコピーすることをおすすめします。

【このページの参考文献】

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